聞く。聞く。聞く。お客様の本当の要望を引き出す。

今回は、当たり前の話です。

そんな私も、
その当たり前に気づかされた一人。

お客様から依頼を受けたとき。

その依頼文は、
要望のすべてではありません。

むしろ。

大事なことほど、
書かれていないことがあります。

なぜなら、依頼文は
お客様が頭の中にあることを、

「これくらい書けば伝わるだろう」

と、要約したものだから。

人は、要約するとき、
「当たり前のこと」から削ります。

自分にとって当たり前だから、
書く必要を感じない。

でも。

初めて見る側には、
それが分かりません。

じゃあ、
どうやって拾っていくのか。

今回は、そんな話です。

あるとき、
資料作成のご依頼をいただきました。

依頼文には、こう書かれていました。

「支社ごとに分けて、グラフを作ってほしい」

短く、明確です。

これだけ読めば、
正直、迷うところはありません。

依頼には、
コピー機でスキャンした指示書のPDFが、
添付されていました。

正直に言うと。

こういう添付ファイルって、

「まぁ、参考資料だろ」

そう思って、
後回しにしたくなります。

早く作業に取り掛かりたくなる。

でも、開きました。

すると。

依頼文には書かれていない要件が、
いくつも出てきました。

グラフの期間。
まとめ方。
直してほしい箇所。

……いや。

「こっち、めちゃくちゃ大事やん。」

なぜ、依頼文に書かれていなかったのか。

意図的なものではありません。

自分には分かっている。

だから、
書かなくても伝わると、
無意識に思っている。

でも。

初めて見る側には、
わからない。

さらに、
やり取りを続けているうちに、

また新たな発見が。

締切の理由です。

近いうちに、
発表の場が控えていました。

これも、
依頼文にはなかった事実。

でも。

これを知っているかどうかで、
作るものが変わります。

画面で見る資料と、

人前で見せる資料は、
同じではありません。

文字の大きさ。
情報量。
グラフの見せ方。
強調する場所。

全部変わってきます。

そこで初めて、気づきます。

グラフを作ることが、
目的ではなかったんだ。

この一件から、
私はひとつ意識するようになりました。

依頼文を読んで、
すぐに作り始めない。

受け取った資料は、
すみずみまでチェックする。

当たり前です。(笑)

そして、

「これ、何に使いますか?」

これです。
これを聞きます。

その先に、

誰に伝えたいのか。
何を伝えたいのか。
何を実現したいのか。

本当に必要なものがあります。

依頼されたものを、
正確に作る。

もちろん大事です。

私も、
それで十分だと思っていました。

でも。

それだけで、
お客様と向き合ったことになるのか。

お客様は、
それを使って何をしたいのか。

依頼文に書かれていないところまで、
考える。

「それも仕事のひとつなんだ。」

依頼文は、目次です。

そこに全部は書かれていません。

添付ファイル。
会話の中。
何気ない一言。

「これ、何に使うんですか?」

そんなところに、

依頼文には書かれていなかった
本題が隠れています。

だから、

少しだけ、立ち止まる。
全部見る。
聞いてみる。

すると、

「グラフを作ってほしい」

という依頼の外側に、

本当に作るべきものが
見えてくることがあります。

そこを聞かないまま、
依頼文だけで作る。

すると、

間違ってはいない。
でも、使いにくい。

そんなものを、
作ってしまうことになる。

それが、一番もったいない。

結局、
お客様と向き合うこと。

一番大切なのは、
そこかもしれません。


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